ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で過去最高の8強に貢献した日本代表ロックのトンプソン・ルーク(38=近鉄)が5日、東大阪市で行われた所属先の練習に合流した。

トレーニングを終えると、約30分間の取材対応。W杯を振り返り、日本中の子育てをする親に「子どもたちへラグビーのチャンスを与えて欲しい」と思いを伝えた。

一問一答は以下の通り。

-W杯を終えて

トンプソン あっという間だった。W杯に関わることができて、本当に光栄だった。日本のために活躍できたことを、うれしく思います。日本の皆さんのサポートがあったからこそ、素晴らしい結果を得ることができた。

-最も印象に残ったシーンは

トンプソン 難しいけれど(準々決勝の)南アフリカの試合の後に、家族とグラウンドに一緒に入った。アイルランド戦も特別。その2つはよく覚えている。たくさんのいいシーンがあった。アイルランド戦の前半の最後ぐらいに(相手の反則を誘って)ターンオーバーしたスクラム。大事なスクラムだった。ぐーくん(プロップ具智元)のガッツポーズが印象的だった。相手の勢いを止め、私たちが勢いをつくった。ゲームチェンジの場面だった。

-W杯4大会連続出場。日本の変化を感じるところは

トンプソン フィジカル的に、日本はすごく成長している。あとは信じることです。自分たちの可能性を信じるようになったし、ティア1(世界の強豪10チーム)を倒せると信じていた。多分(15年W杯を指揮した)エディー・ジョーンズが種をまいてくれた。「ハードワークしたけれど倒された(負けた)」という意識から「ちゃんとやれば勝てる」という意識に変えることができた。だから現在の日本代表の期待は「倒せる」。信じているからこそ、勝利をつかめる。

-今季限りで現役引退するが、日本に残したいメッセージは

トンプソン 今年は日本のラグビーにとって、とても大事な1年。メッセージがあるとしたら、子どもたちのお父さん、お母さんに、子どもたちへラグビーのチャンスを与えて欲しい。ラグビーを試してみてほしい。素晴らしいスポーツであり、多様性のあるスポーツ。体のサイズも関係ない。背が高くても、背が低くても。(日本代表SH)田中史朗なんて、これ(自分の胸)ぐらい。大きな選手、細い選手。誰でもいい。心が一番大事な素晴らしいスポーツ。あとは環境そのものです。友達をつくって、ラグビーの環境として学べる。チームワーク、忠実さを、お互いに感じながらやっていける。