日本代表(世界ランク14位)のW杯が始まる。
初戦は初出場のチリ(同22位)と対戦。前回の19年日本大会で過去最高8強に導き、今大会限りで退任が決まっているジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、53)は「19年とドローが似ている。先のことを考えずに、自分たちのことにフォーカスする」と1次リーグ4試合を見据えた。
世界ランク10位で開幕した前回大会。対戦相手の巡り合わせは似ていた。
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【19年日本大会】
◆第1戦 対ロシア(開幕時の世界ランク20位)30○10
◆第2戦 対アイルランド(同1位)19○12
◆第3戦 対サモア(同16位)38○19
◆第4戦 対スコットランド(同7位)28○21
【23年フランス大会(日本は開幕時点で14位)】
◆第1戦 対チリ(同22位)
◆第2戦 対イングランド(同8位)
◆第3戦 対サモア(同12位)
◆第4戦 対アルゼンチン(同6位)
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重圧のかかるW杯初戦。4年前もキックオフのミスから自陣に侵入を許し、前半4分にロシアの先制トライを許した。だが、徐々に主導権を握り、前半にWTB松島幸太朗の2トライで逆転。最後は4トライ以上のボーナス勝ち点もつかみ、次戦のアイルランド戦歴史的初勝利へとつなげた。
あれから4年。ジョセフ・ヘッドコーチは選手の「経験値」にこだわった。
8日のチリ戦メンバー発表時点で、先発15人中9人をロシア戦経験者で固めた。大会前の6試合で競争が激しかったSHは流大(東京サントリーサンゴリアス)、SOは松田力也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、内側のCTBに中村亮土(東京サントリーサンゴリアス)を起用。帝京大時代からともにプレーしてきた間柄で、松田は「今までやってきた(流)大さんと(中村)亮土さんが両サイドにいるのは心強い。自信を持ってプレーできる」と素直な思いを明かした。
前回大会の8強超え、大目標の優勝を見据えるW杯。日本は格下相手の勝利は絶対で、その内容も求められる立場になった。3大会連続出場のプロップ稲垣啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)は節目の50キャップ。経験を基に誓う。
「プレッシャーを感じない選手はいない。『感じていない』という人は、強がっているという風に僕は捉えている。プレッシャーを受け入れ、そのプレッシャーに対して、どう準備をするかが大事。それは何なのか。自分たちが積み重ねてきたことを信じる。やってきたことしか出せない。信じれば、自分たちがプレッシャー下で、プレーできる。そう思っています」
16年に就任したジョセフHCは、7年間の多くをともに過ごした選手を中心にチリ戦メンバーを構成した。先発するSO松田は、結果での恩返しを志した。
「ジェイミーのラグビーが、ここまで日本ラグビーを進化させてきた。僕たちが結果で証明したい。一番の恩返しになる。みんなそれを信じてやってきている。ジェイミーが最後でプレッシャーを感じるより、楽しんでやりたい。結果を得て、みんなで喜びたい」
進化を証明する戦いが、いよいよ幕を開ける。(トゥールーズ=松本航)




