<福岡6大学野球:九共大6-0九工大>◇第2週初日◇18日◇九共大

 プロ注目の九共大のエース山内晴貴(4年=沖縄水産)がノーヒットノーランを達成した。九工大戦で直球は最速138キロと抑え気味だったが、制球重視の丁寧な投球で12奪三振。四球と失策で走者を許したが、打者27人できっちりと抑えた。山内のノーヒットノーランは2年前の春の同カード以来2度目。リーグでのノーヒットノーラン達成は通算11人目で14度目。2度の達成は2人目の快挙となった。

 27人目の打者を二塁ゴロにうちとると、山内は胸の前で小さくガッツポーズを作った。「3回ぐらいから狙っていました。相手打線を見てコースを突けば打たれないだろうと思いました」。2度目の大記録を冷静に振り返った。

 2年前の春はがむしゃらだったが、今回は違った。相手が直球狙いとわかるとスライダーとカーブでカウントを稼ぎ、直球で打ちとる投球に切り替えた。失策と四球で走者は出したが「クイックモーションで投げてみたかったので、ちょうどよかった。相手の打者を見ながらいろいろ投げられた」と余裕たっぷりだった。

 沖縄育ちだけあって、寒さの残る春先は毎年調子が出ない。この日も直球は自己最速の144キロに及ばない138キロだったが、低めを突く丁寧な投球で12奪三振。それでも「初球の入り方とか、まだまだ甘いところはあった」と満足はしていない。

 前夜の弟からの電話が発奮材料になった。中部商で正一塁手の弟の智晴(3年)は春の沖縄県大会で優勝。地元沖縄で開催中の九州大会に出場している。「明日頑張って」と弟の励ましに「おれも頑張るからお前も頑張れよ」と逆にゲキを飛ばした。「今日ふがいない投球をしたら弟に笑われますから」。この日の投球で兄の面目を保ち、19日に初戦を迎える弟へのいい激励になった。

 WBC優勝メンバーの馬原や、新垣らプロで活躍する先輩が代々つけてきた背番号「18」を背負う。昨年まではその重さがプレッシャーになっていたが、今年は自分が軸となってチームを引っ張る気持ちに変わった。「みんなが信頼してくれるのでそれに応えられないとダメ。投げる試合はすべて完封を狙っています」。開幕試合で完封し、2試合で無失点。神宮のマウンドを目指し、この先もゼロを重ねていく。【前田泰子】