今夏甲子園準Vエースと4番が、活躍の舞台を東北福祉大に移して日本一を目指す。日本文理(新潟)の伊藤直輝投手、吉田雅俊右翼手(ともに3年)が、一般推薦入学試験で同大に合格したことが10日、分かった。みちのく勢では、東北(宮城)清原雄貴投手、大場甲哉一塁手、聖光学院(福島)斉藤晃平二塁手、一関学院(岩手)飯田翔投手(いずれも3年)らも合格。「みちのくの雄」の復権役を担う。

 日本一に届かなかった悔しさを、大学で晴らす。東北福祉大の合格通知が届いた瞬間、甲子園準V投手の伊藤は「新たな道で野球ができる。本当にうれしかった」と声を弾ませた。今夏甲子園決勝で中京大中京(愛知)と死闘を演じ、9-10で敗れた。全5試合を1人で投げ抜いた自信のスタミナで「東北の地から関東、関西勢を倒して日本一になる」と言い切った。

 頼りになる4番も再びチームメートだ。今夏甲子園で20打数6安打3打点の数字を残した吉田は「2人で1年から出られるように頑張りたい」と話す。同大OBの阪神金本にあこがれており「打ち方が好き。手首の強さがすごい」と吉田。2年前に病気で亡くなった母孝さん(享年46)のためにも「大学で頑張って期待に応えたい」と誓った。

 全国準V戦士の入学に同大の山路哲生監督(43)は「伊藤は制球力、緩急が素晴らしい。準優勝しても、てんぐにならず精神的にも強い。吉田は、まず体をつくってきてほしい。大事に育てます」と期待する。伊藤は「OBの佐々木主浩さんのようになりたい。将来はプロに入って、堂林(翔太=中京大中京3年、広島ドラフト2位)と再戦したい」と熱く語った。【三須一紀】