昨秋県大会4強の開志学園が、新潟明訓に打ち勝った。1回に3番本田大翔左翼手(3年)が右翼に先制ソロ。2回には4番斎藤康太一塁手(3年)がバックスクリーンに2ランを運んだ。3、4番のアベックアーチで勢いづいた打線は12安打で15得点を奪い、7回コールド勝ちを決めた。

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開志学園ベンチが沸いた。本田のひと振りが、ナインのボルテージを一気に上げた。1回2死走者なし。「いいポイントで捉えられた」と内角低めのカットボールを鋭いスイングで引っ張った。公式戦初本塁打となる右翼への先制ソロ。ホームベースを踏みしめ、続く4番斎藤と笑顔でタッチをかわした。

この1発が着火剤となり、2死からの計5安打でこの回4得点。「初回に先制できてチームも流れに乗れた」と喜んだ。3番に座るのは昨秋からで「始めは単打が多かった。長打を打てるように飛距離を伸ばすことを考えた」と冬場にフォーム改造に着手。構えた時の両膝頭がつま先より前に出ないようすることで、大腿(だいたい)部の力を逃さず打球へ伝えられるように意識。その成果がしっかり表れた。

その1発に4番斎藤も続いた。3点リードの2回1死一塁。「少しずれたけど芯で打てた」という打球を、バックスクリーンに放り込んだ。高校通算19本目(公式戦2本目)で、今春から使用する低反発バットでは5発目。冬に「強く押し込むようにして」打ち込んできた努力を、結果につなげている。

打線は3、4番初のそろい踏みに触発されて12安打15点。川上大輔監督(35)は「(相手の)対策はしてきた。それぞれが狙い球を打ってくれた」とたたえた。昨秋4強を踏まえ、今春の目標は春、夏、秋を通じて初の県制覇。本田は「まだ通過点なので」と、気を緩めることなく、口元を引き締めた。【斎藤慎一郎】