<ソフトバンク2-1西武>◇27日◇みずほペイペイドーム

ソフトバンクが今季4試合目の延長ゲームを初めて制した。ヒーローは10回1死一、三塁から右翼越えへの一打を放った川瀬だ。8回に山川の代走で途中出場。初めて回ってきた打席でしっかり結果を出した。ちょうど2年前の春。2軍落ちした川瀬に小久保2軍監督の言葉は容赦なかった。「打撃を1から全部変えろ。このままじゃ打てない」。呼ばれて個人的に言われたのではない。試合後のミーティング。選手全員の前で通告された。悔しさはなかった。むしろ、新たなチャレンジと思って、小久保2軍監督の言葉を素直に受け入れた。構えたバットを少し捕手側に傾ける打撃スタイルにして手応えをつかんだ。

あの言葉がなかったら…。サヨナラの殊勲打も生まれなかったかもしれない。「とりあえず、ひと安心です。まだまだ頑張ります」。ヒーローのお立ち台に立った川瀬は、小久保ホークスの勝利に貢献できた喜びに浸った。

チームはサヨナラ激勝で今季2度目の4連勝。貯金も9に伸ばし、がっちり首位をキープ。「黄金週間」の始まりに幸先のよいスタートを切った。対西武は無傷の4連勝。先発陣が安定している西武に対して小久保監督は「勝ったけど、やはり先発投手が安定しているから、強さを感じた」と、前回の敵地3連勝後に述懐していた。なかなか西武先発今井を攻略できなかったが、それでも7回2死二塁から代打中村晃を送り、同点に引き戻した。勝負どころでの一手はピシャリと決まった。

まだまだ船出したばかりの小久保ホークスだが、節目となる大きな数字がチームを後押ししそうだ。この日の白星で、1989年(平元)の福岡移転後の通算勝利数が2498勝となった。2500勝まであと2勝。西武に連勝すればメモリアルに手が届く。首位快走のチームにさらに追い風を送り込みたいものだ。