100人超の部員で「四高」ラストシーズンがスタートする。第87回選抜高校野球大会で北海道勢52年ぶり、チーム初の準優勝を果たした東海大四ナインが2日、帰道した。同校は16年4月から「東海大札幌」へ校名変更される。今春から新入生が約50人入部予定で、約120人の大所帯となる。新戦力を迎え、現校名では最後となる今夏、春は果たせなかった全国制覇を目指す。

 東海大四ナインが半世紀を越えて北の大地に準優勝旗を持ち帰った。胸には決勝を戦い抜いた証しの銀色のメダルが下げられていた。新千歳空港に到着すると、100人を超すファンに出迎えられた。機内でも「準優勝おめでとうございます。記録だけでなく記憶に残るファインプレーだったとうかがっております」とアナウンスされ、乗客から拍手が湧き起こるなど、祝福ムード。激闘を終え、久しぶりの北海道に帰って来たナインは温かさに触れ、緊張感から解放された。

 休んでいる暇はない。5月初旬からは春の札幌地区予選が開幕する。今春、新入生約50人が加わる。大脇英徳監督(39)が就任した04年以降、最多の約120人体制となる。すでに夏を見据えている指揮官は春に向け「(夏の地区予選の)シードは落とせない」と、全道出場権は昨年秋の全道Vで確保しているが、札幌地区制覇を最低目標に設定。そのため2番手以降の投手育成も視野に入れている。センバツ全5試合で登板し、544球を投げ抜いたエース大沢志意也(3年)を中心とした戦い方は変わらないが、夏を見据え新戦力の台頭にも期待を寄せる。「夏を目指して夢の続きを胸に秘めてまたスタートしたい」と闘志を燃やした。

 慣れ親しんだ校名との別れが近づく。来年4月から東海大札幌に変更される。昨年創立50周年を迎え、新校舎建設など学校改革の一環で、全国の系列校で都市名を冠した名前に変更する動きに合わせた。創部52年目の歴史に、準優勝の快挙を加えた。だが「四高」としては最後の夏となる。大沢は「最後に東海大四で甲子園に出るチャンスは自分たちしかない。優勝旗に名前を入れたい」と決意をにじませた。春、あと1歩届かなかった日本一で花を添える。【保坂果那】