東海大相模のドラフト候補コンビが今季公式戦に初登板し、完封リレーで4強へ導いた。「背番号1」の左腕、小笠原慎之介投手(3年)が先発し、最速145キロで8回1/3を1安打11奪三振で無失点。9回途中から昨夏の神奈川大会決勝で大会タイ記録の20奪三振を記録した右腕の吉田凌投手(3年)が救援し、打者3人を1安打無失点に抑え、慶応に勝利した。

 約7カ月ぶりの公式戦で、小笠原は思い切り左腕を振った。「気持ちが上がって力みました」と初回先頭打者に四球を出す。それでも頭は冷静だった。続く2番打者が投前にバントを転がしたが、すかさず二塁へ送球してアウト。冬に繰り返したフィールディング練習の効果を見せ、ピンチを脱した。

 ネット裏には7球団のスカウトが集結した。広島のスピードガンでは初回から自己最速にあと1キロに迫る145キロを計測した。さえ渡った直球は内角を突き、4者連続を含む11三振を奪った。一方で6四球を出し「真っすぐの質は上がったと思いますが、変化球でカウントを取れなかったのが課題」と1安打無失点にも自己評価は厳しかった。

 9回1死からは右腕の吉田が引き継いだ。4番宮田の初球。内角直球がズバッと決まった。「この冬は右打者の内角にストレートを投げることをテーマにしてきた。初球からあそこに投げられたのは良かった」と3球目に二塁打されながらも、無失点で切り抜けた。

 「140キロコンビ」が完封リレーで4強へ導いた。順調な仕上がりを見せた左右2枚看板を擁し、5月2日桐光学園との準決勝に挑む。【和田美保】