ディフェンディングチャンピオンが、センバツ準Vチームの道内公式戦連勝を「18」でストップさせた。昨春の覇者・北照が1回戦で東海大四に勝利した。先発の川端翔(3年)が7回を5安打1失点。8回からは管野渉(3年)が1安打2失点と「左腕リレー」でリードを守りきった。

 昨春の決勝と同じ顔合わせとなった、東海大四戦。北照の先発は、昨秋以来の公式戦登板の川端だった。緩急をつけ、丁寧な投球で7回を5安打1失点。8回から登板の管野が9回3四球と乱れ、追い上げられたが、1点差で逃げ切った。センバツで1試合平均7・6安打(5試合38安打)の相手を、左腕の継投で6安打。川端は「自分を見失わず、相手に向かっていく気持ちが出せた」とナインと喜びを分かち合った。

 苦い思い出を払拭(ふっしょく)した。1年前の春決勝。先発した川端は2回4安打2失点で降板した。チームは優勝したが、先輩に助けられた思いが強かった。背番号1を付けた昨秋も、全道準々決勝の北海戦に先発し、1回3失点でKOされた。背番号3で迎えたこの春。地区では登板がなかっただけに、この日にかける思いは強かった。

 冬場の1日10キロの走り込みが、制球力を格段にアップさせた。この日は打者26人に対して、与四死球は、わずかに2。昨秋、コーチから監督代行となり、4月に正式に就任したばかりの竹内昭文監督(64)は、円山初勝利をプレゼントされ「本来は背番号1を与えても良い投手。抑えてくれると思っていた」と目尻を下げた。

 春夏甲子園8度の名門が、新体制となって初めて挑む、春。竹内監督は「勝つことが北照のこれからにとって大事」と、結果こそが新たな船出の“良薬”になると強調する。全国準Vチーム撃破で勢いに乗った先に見据えるのは、連覇しかない。【保坂果那】