名将の最後の夏が終わった。

 今夏限りでの勇退を表明している渡辺元智監督(70)率いる横浜が、決勝で東海大相模に0-9で敗れ、甲子園出場を逃した。

 渡辺監督は閉会式が終わると選手から3度、胴上げされた。

 「もう、選手感謝のひと言ですね。例年になく熱い、熱い戦いでした。優勝候補ではない中で1回戦から戦ってきて、選手はよくやってくれた。感謝しています。老体にムチ打ってやってきた分、その賜だと思います。いろいろな意味で充実した1年でした」と話した。

 これで高校野球の指導に一区切りをつける。

 「人生そのものでした。右も左も高校野球一筋でした。選手に恵まれ、家族に感謝します」。

 春夏通算5度の甲子園優勝。ソフトバンク松坂をはじめ、プロ野球界に数々の教え子を送り込んできた。今後は平田徹部長が新監督に就任し、渡辺監督は総監督として横浜ナインを見守る。