試合の流れをつかむには、相手の隙を突けるかがカギになる。その意味で、寒川の白井が1回に果たした役割は大きかった。

 敵失と犠打、四球、暴投で1死一、三塁。もらったチャンスで白井は「スライダーを狙っていた」。初球の変化球を確実にとらえて左前へ先制打。後ろもつながり、この回2打席目の永福が「流れに乗れた」と6点目の右前適時打。塁上で右拳を突き上げた。

 香川大会決勝の20得点は1県1代表校制が定着した1978年以降、最多。16安打でこの記録を打ち立てられたのは、11四死球を得られた選球眼も要因だ。佐竹監督は「ボール球を振るなと指示していた。うちは守りからリズムを作るチーム。びっくりしました」。大一番で監督も驚くほどの意外性を発揮した。(朝日新聞)

 ◆藤井学園寒川 1974年(昭49)創立の私立校。生徒数は662人(うち女子270人)。野球部の創部は74年で、部員数は43人。甲子園出場は春は出場がなく、夏2度目。主なOBは元ヤクルト西村龍次、お笑いコンビのココリコの遠藤章造ら。所在地はさぬき市寒川町石田西280の1。吉田豊校長。

◆Vへの足跡◆

1回戦3-1高松北

2回戦8-3飯山

3回戦6-4三本松

準々決勝3-1三豊工

準決勝4-3英明

決勝20-4丸亀城西