東北学院が仙台工を下し、2年ぶり13度目の秋の県大会出場を決めた。先発右腕の後藤大熙(たいき=2年)が3安打1失点と好投し、自身公式戦初完投勝利。今秋1度敗れた相手にリベンジし、中部地区最後の1枠に滑り込んだ。

 東北学院の背番号10、後藤がマウンドで躍動した。あいにくの悪天候の中、うまく力を抜いた直球にカーブ、チェンジアップを交え3安打1失点。「しっかり腕を振れた。勝ててうれしい」。激戦地区最後の県切符を勝ち取り、笑顔を見せた。

 高校では初の完投勝利だった。今夏は2年生ながらエースナンバーを背負った。だが1回戦で敗退し、新チーム発足後、背番号は2桁になった。渡辺徹監督(45)は「不動のエースになるために、足りないものは何なのか。自分で考えてほしい」と明かす。期待が込められた「10番」だった。

 後藤は「悔しかったけど、そのぶん頑張ろう」と決意。184センチ、70キロの細身の体を強くしようと毎夕に丼4杯を食べ、投げ込みの量も質もアップさせてきた。夏から体重も2キロ増。県大会がかかった大一番で、努力の成果を発揮した。「(取り組みは)全部自分のプラスになる。もっと強くなってセンバツに出たい」。エース返り咲きに続いて、大きな目標が新たに加わった。【成田光季】

 ◆後藤大熙(ごとう・だいき)1998年(平10)9月30日、仙台市生まれ。城南小2年から野球を始め、小6から投手。中学から東北学院で、高校1年秋から背番号11で登板。184センチ、70キロ。右投げ右打ち。家族は両親と弟2人。血液型B。憧れの選手はダルビッシュ有。