第89回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の選考委員会が27日、大阪市内で開かれ出場32校が決まった。

 日大三(東京)の「デカプリオ」、193センチ、101キロの金成麗生内野手(2年)が、“ゴジラ超え”で、早実・清宮から春の主役を奪う。昨秋の東京大会で準優勝し、慶応(神奈川)と争った関東・東京の6校目に滑り込んだ。練習中に吉報が届くと、米国人の父を持つ金成も大興奮。「ホームランは3本打ちたい。(清宮より)目立ちたいです」と力強く宣言した。

 理想に掲げるのは、同じ左打者で日本を代表するスラッガー、元ヤンキース松井秀喜氏(42)と、DeNA筒香だ。「共通しているのはミートポイントが体に近くて、後ろ体重」と言う。ギリギリまでボールを見極め、左足にしっかり体重を乗せることで、ボールに全身のパワーをぶつける。

 昨秋から「ゴジラ打法」に取り組むと、東京大会は準決勝、決勝で連続本塁打を放った。低めの変化球を見極め、強打者の証しとなる四球も増加。松井氏が星稜(石川)3年時のセンバツで3本塁打を放ったことを知ると、「上回りたいです」と目標も上方修正だ。

 昨秋までは5番だったが、小倉全由監督(59)は「4番で使いたい。どっしり野球をやってほしい」と期待する。金成は、18日に日大相撲部に1日入門して以降、毎日練習後に100回の四股を繰り返し、下半身を強化。背筋力は巨人入団時の松井氏の240キロを上回る300キロで、握力は左78キロ、右75キロ。軽くリンゴを握りつぶせそうな怪力で、大好物のピザはペパロニ入りのLサイズを1人でペロリ。すべてに規格外のスラッガーは「注目されると、プレッシャーを感じるより、やってやろうという気持ちになる」と、スター候補らしく締めくくった。【前田祐輔】