目指すのは恩師・佐々木偉彦(たけひこ)監督(32)の背中だ。言葉の力を信じて、チームの潜在能力を最大限に引き出してきた。小豆島戦の試合開始前には、佐々木監督からパソコン上で激励メッセージが流された。岩間に送られた「お前のおかげでここまで来れた。今日は何より楽しめ」に始まり、選手全18人に発信されたエールを見届けるうちに、岩間の涙が止まらなくなっていた。

 岩間 こみあげてくるものがあった。絶対やってやろうって思えた。偉彦先生の言葉は力が強くて、全員のベクトルが同じ方向に向く。言葉を使って奮い立たせてくれるのは頼もしかった。

 己を信じて強気に投げ続けてきた岩間だからこそ、教えられることがある。

 岩間 甲子園をきっかけに、やればできるということが分かった。できる、できないじゃなくて、やるか、やらないかでやり続ければ、いつかはできる時がくる。何事にもどんどん挑戦する気持ちを強く持って、今後も頑張っていきたい。【取材・構成=高橋洋平】

 ◆岩間大(いわま・だい)1998年(平10)5月31日、岩手・大槌町生まれ。赤浜小1年の時、安渡スポーツ少年団で野球を始め、小5から投手。大槌中では軟式野球部に所属し、釜石では2年秋から背番号1。171センチ、63キロ。右投げ右打ち。血液型O。