冬場に帰宅後の父広輝さん(44)と行ってきた、左打者ならではのマンツーマン練習も功を奏した。高校まで投手経験のある右利きの父に、通常より右に寄ってプラスチックボールを投げてもらい、左投手対策の打撃を繰り返した。史上最多の甲子園通算63勝を積み上げた名将・高嶋仁監督(70)も「左対左で、あれだけ完璧に打たれるとは」と、驚きを隠せなかった。

 今回の選抜は、同い年で、同じ左打者の清宮幸太郎内野手(早実2年)に注目が集まる。「すごい打者とは思いますが、自分は自分の持ち味を出すだけ」と高階。清宮フィーバーを横目に、わが道の打撃で、札幌第一を勝利に導く。【中島洋尚】

 ◆中田の紀三井寺球場特大弾 06年11月3日、大阪桐蔭2年だった中田は、秋季近畿大会準決勝の市川戦2回表に推定170メートルの特大アーチを放った。カウント2-1からのスライダーをフルスイング、打球は両翼93メートルの球場を飛び出し、場外の2軒の民家を越えた。後日、球場側から航空写真などで測定し、到達点距離を188・41メートルと判定し、中田に認定証を贈呈した。翌年に両翼に防球ネットを設置した。