19日開幕のセンバツ(甲子園)に出場する仙台育英(宮城)のエース左腕長谷川拓帆(3年)が、完璧な投球を見せた。練習試合・秋田商戦に先発して3回を投げ、三振3つを奪い走者を1人も出さなかった。3ボールになった制球を反省しながらも「けっこう良かった」と満足そうに振り返った。

 試合開始の午前10時の気温は、4度にも満たなかったが「甲子園でもこういう気温はあると思うので」と、しっかりと腕を振った。奪った3三振はすべてストレートで、縦横のスライダー、スプリット、チェンジアップと持ち球すべてを試した。対外試合解禁となった8日の美来工科(沖縄)戦にも先発し、四球が絡んで4回1失点。2試合目の登板できっちり修正した。

 公式戦の防御率0・89、被安打率3・69は、出場32校の投手ランキング1位。「自信を持っていいと思います」と言った。東日本大震災が起きた日のマウンドに「普通に野球ができることが当たり前とは思いたくない」と、あらためて3月11日の大切さをかみしめた。午後2時46分には、86人の部員全員がグラウンドで黙とうした。【久野朗】