センバツ開幕まで待てない! 球春到来を前に、17年の東北勢ドラフト戦線を先取りする。高校生の注目選手はセンバツに出場する盛岡大付(岩手)のエース平松竜也投手(3年)。右上手から最速144キロの直球を投げ込み、聖地での最速更新に挑む。

 剛腕伝説の幕開けだ。成長を遂げた本格派右腕の平松が、ついに聖地でベールを脱ぐ。「球に力が伝わるようになった。センバツで150キロを出せば、プロも注目してくれる。自己最速の更新を目指す」。冬場に食事量を増やして体重は80キロから6キロ増量に成功。183センチ、86キロと成長した体で、聖地のマウンドに仁王立ちする。

 挫折から飛躍のきっかけをつかんだ。昨夏は岩手大会前に調子を落としベンチ外。甲子園には打撃投手として同行し、炎天下で毎日約300球を投げ込むうちに理想のフォームが見つかった。「自然にインステップになって、ボールのかかりが良くなった。結果的にスピードも上がった。帯同のおかげ」。夏まで130キロ後半だった球速が秋には144キロまで上昇。一気にドラフト候補に躍り出た。

 中学時代は横浜瀬谷ボーイズで外野手。高校で本格的に投手へ転向した。関口清治監督(39)は投手歴わずか2年の原石に対し「良い球を投げるようになってきた。ただ、良い球を投げるのと抑えるのは別物。センバツでは泥臭くてもいいので、抑える投球を見せてほしい」とセンバツでさらなる成長を期待する。

 昨夏の甲子園では3試合で41安打28得点を奪い「豪打の盛付」をアピールした一方で、投手陣は3試合で35安打で25点も失った。平松は豪語する。「投手陣は去年より良いと思っている。“剛腕の盛付”の看板をセンバツでぶちたてる」。その強心臓ぶりも魅力だ。