盛岡大付(岩手)の1番打者の主砲、植田拓外野手(3年)が出だしで流れを呼ぶ。明日20日、高岡商(富山)との1回戦を迎える。関口清治監督(39)は「初回に先制したい」と植田の出塁を求めた。18日は甲子園での開会式リハーサル後、兵庫・西宮市内で調整。フリー打撃などで竹バットを使用し、ボールを芯で捉える感覚を確認した。

 後攻なら先発投手の初回無失点が先制への大前提になるが、植田は自覚十分だ。「自分が出塁しないと、チームは流れに乗れない」。前日17日の天理(奈良)との練習試合では、9回に左中間へ場外弾。高校通算本塁打を38本に伸ばした。1発が理想の第1打席は「ボテボテのゴロでもヒットにしたい」と50メートル走5秒9の俊足を生かし、泥臭くても出塁する構えだ。

 この日甲子園で行われた監督対談で、関口監督は高岡商の印象を「ピッチャーを頼りにしている」と感じた。だからこそ、先頭打者・植田の打席は攻略への1つのポイントになる。相手エース左腕は変化球を多投するタイプ。天理戦でスライダーを仕留めた主砲は「だんだん調子が上がってきた」と自信の表情。昨夏の甲子園を経験した強みもある。【久野朗】