日大三(東京)が履正社(大阪)に逆転負けを喫した試合で、珍事があった。

 9回表の履正社の攻撃。日大三の投手の交代で、日大三・桜井周斗投手(3年)が四球を出した後、中堅に回り岡部仁投手(同)にマウンドを譲った。

 その後、3番安田の場面で再び桜井投手がマウンドへ戻り、岡部投手が中堅に回った。公認野球規則では、この時点で桜井投手は9回表を投げきるか、交代するしかなかった。しかし、その後、再び中堅の守備につき試合は続行。成立した。

 当該試合の審判幹事である日本高野連の審判技術顧問・木嶋一黄(きじま・いっこう)氏(67)は規則適用上の説明をし「ベテランと言われる我々(審判幹事)がいながらアドバイスができなかった。今後は同じ投手が、同じイニングで2度目のマウンドに来た時には何かアドバイスするなど、対策を取っていきたい」と対策防止策とともに振り返った。試合後に、日大三、履正社両チームにも説明があった。