目指すは「兄弟日本一」だ。仙台育英(宮城)の杉山拓海外野手(3年)が21日、西宮市内の室内練習場で明日23日の福井工大福井との初戦に向けて快音を響かせた。「5番左翼」で先発濃厚の背番号17は「弟も全国に出る。自分はホームランを狙う」と息巻いた。

 父賢人氏(48=台湾ラミゴコーチ)は元西武の投手で、弟の歩海(あゆみ)は仙台育英系列の秀光中教校軟式野球部(新3年)に所属している。歩海は24日に開会する全日本少年春季軟式野球大会(静岡・草薙総合運動場硬式野球場ほか)に出場する。仙台出発時には歩海から「俺も頑張るから兄ちゃんも頑張って」とメッセージが来た。

 冬場に掲げた1日1000スイングが杉山を成長させた。筋力トレーニングで下半身をいじめ抜き、体重は67キロから10キロ増えた。沖縄遠征の紅白戦で本塁打を放つと「ひと冬越えて飛距離が変わった」と手応えをつかみ、17日の練習試合では3ラン。先発の座を確実なものにした。歩海がつくったミサンガが、初戦を前に母を通じて杉山の手元に届くという。「力を合わせて優勝を目指す」。まず1つ勝って兄の威厳を見せる。