佐渡はプロ注目の右腕・菊地大稀(たいき)投手(3年)が6安打、8三振に抑え、北越を3-0で下した。

 最後の打者を三飛に打ち取った菊地は、マウンドを下りかけたところで大きくガッツポーズ。緊張が解けたように、満面の笑みを見せた。

 「点を取らせない。自分が抑えたかった」。シンプルな思いで公式戦で初めてゼロを9個並べた。強敵・北越を6安打に抑える。3者凡退は3、5、9回だけ。投球数は127球。2回戦(4月30日)の東京学館新潟戦では138球を投じ、公式戦初完投を記録した。そのときと同様の粘投だった。宮木洋介監督(32)は「とにかく一生懸命投げていた」と、エースの勝ちたい思いを感じていた。

 この日もプロ数球団のスカウトがネット裏に陣取った。その前で最速143キロの直球を軸に8個の三振を奪ってみせた。もっとも、周囲の注目ぶりに浮かれる様子はない。「チームを勝たせるために投げるだけ」。目標の北信越大会出場に向けて、佐渡の剛腕が熱投を続ける。【斎藤慎一郎】