創部20年の帯広大谷が昨秋まで10季連続代表の白樺学園に4-3で競り勝ち、春は初の全道大会出場を決めた。3季通じてでは、北北海道代表として甲子園に出場した13年夏以来、11季ぶりの道大会切符となった。この日で代表16校が決定。29日開幕の全道大会(札幌円山)に臨む。

 ついに「白樺の壁」を打ち破った。3季通じて7度目の道大会出場を決めた帯広大谷が、創部20年で初めて白樺学園を倒した。昨年も春は代表決定戦で3-8、秋は地区3回戦で1-8と大敗した。公式戦通算10度目の対戦。常に目の前に立ちはだかってきた同地区の難敵を初めて倒した。網野元監督(45)は「選手がよく頑張った。信じられない。100点満点のゲーム」とたたえた。

 “ゼロ”からの雪辱を果たした。3月末、白樺学園との今年最初の練習試合は0-16と大敗した。先発したエース佐々木慎広(3年)は1回持たず8失点で降板。三振を狙い力んで高めに浮いた球を、立て続けに長打された。4月、下半身のブレを抑えるため、佐藤真司部長(43)のアドバイスで、フォームをノーワインドアップからセットポジションに変え、制球難改善を試みた。

 この日は7安打を許したが、7回自責2と粘りの投球。最速は130キロに満たないが、縦横2種類のカーブとスライダーを低めに集め内野ゴロ14、奪三振ゼロでの勝利につなげた。「僕に三振を取れる球は少ない。でも低めに投げれば打たせて取れることが分かった」。打線も5回2死一、二塁から主将で4番の宇野僚真(3年)が右翼線へ適時二塁打を放ち決勝点と、投打両輪かみ合っての全道切符につながった。

 網野監督は「つらい思いをした後、守備も攻撃も投球も、みんながめげずに努力して課題を克服しようとした成果」と喜んだ。逆境を糧に成長した帯広大谷が、初めて春の円山で、旋風を起こす。【永野高輔】