<高校野球秋季東京大会:安田学園2-1早実>◇28日◇決勝◇神宮第2

 安田学園が早実との接戦を制して初優勝し、来春センバツ出場を確実にした。

 活躍するOBの巨人阿部慎之助捕手の勢いそのままに、安田学園が躍動した。9回裏、エース大金真太郎(2年)が早実最後の打者を左飛に打ち取ると、捕手と抱き合う。ナインがガッツポーズを見せ、一塁側ベンチから選手も飛び出し、歓喜の輪ができた。「よく守ってくれた」。森泉弘監督が3度、宙に舞った。

 苦しい展開の中、リードを守りきった。2回1死一、三塁で7番本宮佳汰外野手(1年)のセーフティースクイズが決まった。さらに相手の守備の乱れで2点目を入れた。「三塁に走者を置いて、相手投手にプレッシャーをかける。ずっとやってきたプレー」と森泉監督は振り返った。

 安田学園の得点場面はここだけ。打線は5安打に終わった。逆に、終盤はピンチの連続だった。5回に早実・利光健作捕手(2年)に右越え本塁打を浴び、1点差に迫られた。だが、落ち着いた守りが光った。6回1死一塁では、相手の右前打を処理した本宮が、三塁好送球で走者をタッチアウトにした。

 7回は2死二塁の危機をしのぎ、8回2死一、二塁では早実のレフト前に落ちようかという飛球を、小山拓哉遊撃手(2年)が走りながらつかんだ。9回も2死から2連打されたが、粘る相手を振り切った。

 森泉監督は「ビッグプレーが出た。完ぺきに守ってくれた」と選手をたたえた。大金は7安打を許しながらも、9回151球を投げきる力投だった。「ボールが低めに決まった。みんなを信じて、打たせて取ろうと思った」という。堅い守りと勝負強さで、センバツに乗り込むつもりだ。