8強入りすると夏のシード権が与えられる春季高校野球静岡県大会(26日開幕、草薙球場ほか)の組み合わせ抽選会が21日、静岡市で行われた。センバツ以来の公式戦となる常葉学園菊川は、2回戦で島田商-富士宮西の勝者と対戦。センバツで不調だった戸狩聡希投手(3年)を抑えに回し、成長株の野島大介投手(3年)を背番号1のエースに抜てきした。上位2校は、東海大会(5月23日開幕、草薙球場ほか)に出場する。

 常葉学園菊川が、新布陣で県大会に臨む。実績を白紙に戻し、エースにはセンバツ3回戦(対千葉経大付)で3回2安打1失点(自責点0)と好投した野島を抜てき。森下知幸監督(47)は「甲子園の自信もあるし、地道に伸びてきた。今までは野島と戸狩を同じ目線で見ていなかった。3年生がこの時期に伸びることはなかなかないが、実際ボールがいい」と理由を説明。先発の柱として野島を起用し、連投可能な戸狩は抑えに回る。

 野島は、主戦の期待に応えようと気合十分だ。「僕が1番びっくりした。間違いかなと。でも本当にうれしい。後ろにいい投手がいるので、思い切っていけます」とほおを紅潮させた。

 昨年のこの大会では、特待制度問題による「棚ぼたの1番」を背負った。その時の背番号を「もう最後だと思って」自宅に保存したほど、今までは自信がなかった。昨夏甲子園での129キロが最高で、球速はコンプレックスだった。しかし、最速139キロを記録したセンバツの好投で一変。後輩への指導ができるほど余裕が出た。20日の練習試合では、センバツで横浜(神奈川)を倒した強豪・北大津(滋賀)を相手に6回5安打無失点。好調を維持して大会に入る。

 投手陣だけでなく、センバツで不振だった打線も組み替えた。1番だった中川雅也右翼手(3年)を3番に据えるなど、クリーンアップは破壊力を増した。主力が順番に患った胃腸炎も一段落し「最近やっと元気になってきた」と森下監督。夏を見据えて投打を再構築し、3回戦敗退したセンバツのうっぷんを晴らす。【斎藤直樹】