<高校野球・春季中国地区大会:広陵(広島)4-1倉敷商(山口)>◇8日◇宇部◇準決勝
広陵の実力は本物だ!
山口県の宇部市野球場で8日、第110回春季中国地区高校野球大会2日目準決勝2試合が行われた。広島代表の広陵は前日好投した左腕・森宗順平投手(3年)が20三振を奪う活躍で倉敷商(山口1位)を4-1で下した。広陵は9日、中国王者の座をかけて宇部商(山口2位)と決勝戦を行う。
圧巻の奪三振ショーだ。初回に3三振を奪うと、森宗の勢いは止まらない。最速138キロの直球とドロップ気味の独特カーブでKの山を築く。5回までに14奪三振、終わってみれば20奪三振…。2回に浴びた一発に崩れることなく、最後までマウンドを守り「狙い通りに球が行った」と胸を張った。スタンドで見守る両親に、初の公式戦完投勝利をプレゼントした。
あこがれの広陵で大役を担う。4人兄弟の末っ子で、野球をしていた3人の兄を追う形で十日市小3年時に野球を始めた。十日市中卒業を前に、6歳上の長男・大悟さんが通った広陵への入学を両親に申し出た。自ら選んだ道だが、入学当初は弱音を吐いた。「それなら止めろと言ったが、止めなかった」と父・和浩さん(48)。だが次第に意識も変わった。今年の正月だ。わずか5日間の実家滞在中も頭から野球のことが離れず、帰寮と練習再開を心待ちにした。
最大の収穫だ。前日の西京(山口4位)戦で2番手登板で3回2/3を1安打8奪三振の無失点。春季県大会ではどん底を味わったが「気持ちを強く」(森宗)と自分に言い聞かせ復活した。成長の証は8回、安打と2四球で招いた2死満塁の場面だ。3番金谷謙(3年)に気合の直球で空振り三振。勝負どころにも「自信を持たせるために」(中井監督)との信頼に、しっかりと応えた。
春季県大会では前田貴史(3年)が、今大会では中田廉(3年)が背負う背番号「1」への思いも強い。夏本番を前に「一番心配していた」(中井監督)森宗が完全に復活。3本柱によるエース争いが広陵をさらに強くする。【佐藤貴洋】

