日本高野連の脇村春夫会長(76)は28日、都内で日本学生野球協会副会長の奥島孝康氏(69)に次期会長への就任を要請し、奥島氏がこれを受諾した。来月28日に開かれる評議員会の承認を経て、第6代会長に就任する。

 受諾後、会見に臨んだ奥島氏は「春夏の甲子園大会は風物詩。国民の期待を壊すことのないよう歴代会長の思いを受け継いでいきたい」と語り、脇村路線を継承していく考えを示した。高校野球の指導にかかわった経験はないが、昨年は特待生問題有識者会議の委員を務めた。その特待生問題について「脇村会長がつけられた一定の道筋を見守りながら考えていく。3年間の試行期間の実態を見て、あらためて考えたい」とした。プロアマ間の関係にも「折り合いをつけて仲良くやって行きたい」と踏襲する考えだ。

 高校野球はあくまでも教育の一環であるとし、アマチュアリズムの堅持を強調した。「高校生として勉強していく中で野球がある。丸抱えで無条件の進級、卒業はあり得ない」。今後の運営には「大きな組織だけに事務局にいるだけでは分からない。必要とあれば、現場の声に耳を傾けたい」と現場に出向く考えも示した。最後には「アジアで高校野球選手権ができれば」という夢も語った。