今夏の全国高校野球選手権準優勝、常葉学園菊川の伊藤慎悟中堅手(3年)が16日、法大法学部政治学科のスポーツ推薦入試に合格した。2年の夏の甲子園で彗星(すいせい)のように現れたシンデレラボーイは、常勝菊川の主軸として甲子園で3季連続の大活躍。今度は東京6大学の名門に進学し、大学日本一と将来のプロ入りを目指す。これで、常葉学園菊川は、大学に進学して硬式野球を続ける3年生10人全員の進路が決まった。

 師走の菊川の街角に、甲子園と同じ伊藤の笑顔がはじけた。この日の放課後、携帯電話の速報サイトで無事合格を確認すると「大丈夫だとは思っていたけど、安心しました。大学でも努力を重ね、4年後はプロに行けるような選手になりたい」と声を弾ませた。昨秋に全国制覇を果たした明治神宮大会の舞台、神宮球場から大学日本一を目指そうと、尊敬する1年先輩の長谷川裕介遊撃手が在学する法大を受験していた。

 これで、菊川は今夏全国準Vの3年生全員の進路が決まった。就職して社会人で野球を続ける2人と準硬式や軟式に進む3人を除く選手10人が、日本全国の強豪大学に進学する。「みんな本当に頑張った。下級生の励みにもなる。伊藤をはじめ、能力のある子たちばかりだから、十分にやっていけると思うけれど、今後も一生懸命に頑張ってほしい」と森下和幸監督(47)が笑顔で話した。

 伊藤自身、これからはライバルとなる仲間たちとの大学球界での再会を楽しみにしている。「町田(早大)や前田(立大)と早く公式戦で戦いたい。レベルの高い東都(リーグ)の酒井や野島(ともに亜大)にも負けたくないです」と目を見開いた。