<高校野球・春季東海大会:掛川西12-7東邦>◇24日◇決勝◇三重・県営松阪

 センバツ出場の掛川西(静岡2位)が猛打で東邦(愛知2位)を下し、初優勝を飾った。2点を追う2回に打者9人の猛攻で逆転すると、先発全員安打の計15安打で東邦投手陣を粉砕。12-7で打ち勝った。普段は一塁手の江塚諭(3年)を公式戦初先発させれば、打撃好調の稲垣諄投手(3年)丹野翔太捕手(2年)もそれぞれ一塁、左翼で起用。夏を見据えた布陣を試しながら、昨年の常葉学園橘に続く県勢春2連覇を果たした。

 最後まで、掛川西打線は沈黙しなかった。2点を追う2回。堀野真三塁手(3年)が適時二塁打で1点を返すと、そこから1人置いて4連打。打者9人の猛攻で一気にひっくり返した。4回にも1死満塁から江塚が2点適時打を放つなど、終わってみれば先発全員安打(15安打)。ともに10安打の1回戦、準決勝から勢いはまるで衰えず、昨秋(準優勝)に果たせなかった優勝旗を、勝ち取った。

 己を知ったことで、打線がかみ合いだした。「僕らは大エースもいないし、狙って三振も取れない。点を取られるのは仕方がない」と公式戦初先発の江塚。センバツまでは全員が失点を恐れ、松下将也右翼手(3年)も「びくびくして守っていた」。その雰囲気が打撃のリズムも崩していた。だが「開き直り」が強力打線を生み、初回に2点本塁打を打たれても、焦ることなく逆転してみせた。

 今大会1番の県悠太中堅手(3年)が12打数9安打4四球と高出塁を誇り、そこから何度も好機が生まれた。25日に52歳となった上村敏正監督は「準優勝だけだとつまらんから、1つくらい優勝しておかないと」と笑い「堀野までの6番は固定じゃないかな」と収穫を得た。選手から腕時計の「G-SHOCK」を用意されていたが、それ以上のモノが贈られた。

 それでも、9回の4失点など「課題しかない」と江塚。静岡県勢の春の東海大会優勝校で夏の甲子園に出場したのは57年の清水東だけだが、県も「優勝はたまたま。だから、ジンクスは関係ない」と言った。満足感はみじんもない春。掛川西に、心のすきはない。【今村健人】