<高校野球・秋季東北大会:秋田商1-0盛岡大付>◇14日◇決勝◇青森市営
わずか12人で頂点に立った!
秋田商(秋田)が延長11回、盛岡大付(岩手)にサヨナラ勝ちし、4年ぶり5度目の優勝を遂げた。エース片岡元気(もとき=2年)が5安打1四球で、2戦連続の完封勝利。インフルエンザ禍で12日の山形中央戦から12人で戦ってきたナインを太田直監督(30)は「東北大会の優勝なんて考えてなかった」とたたえた。秋田商は明治神宮大会に東北代表で出場する。なおセンバツ出場校は、来年1月29日に決まる。
決勝のホームインも確認せず、麻生真主将(2年)は一塁ベースを回った直後、うずくまった。大会中の苦しいことが、次々に頭の中を駆けめぐった。「インフルエンザで秋田に帰った仲間たちを思い浮かべたら…」。0-0で迎えた延長11回裏2死二塁から中前へサヨナラ打を放ち、涙をこらえきれなかった。
6度目Vを呼び込んだのは、最速140キロ右腕の片岡だ。センバツ切符を当確にした前日の本荘(秋田)戦に続き2試合連続完封。1失点完投勝利を挙げた、初戦の一関学院(岩手)戦から26回連続無失点だ。延長も連続完投も初体験だったが「まっすぐが良かった。真ん中に入っても抑えられた」とクールに分析。前夜、先発を直訴し、エースの仕事をやってのけた。太田監督も「僕も部員も片岡に感謝しないとね」と絶賛した。
インフルエンザで帰郷を余儀なくされたナインも秋田で一緒に戦った。ベンチ入りメンバーだった岩手出身の畠山端生(2年)から前夜、盛岡大付の特徴が書かれたメールが麻生に送られた。「1、2番が俊足。相手投手の球速、球種などが書かれていた。役に立ちました」と麻生。それを片岡に伝え、自身もサヨナラ打につなげた。
勝利の校歌斉唱では、ほとんどの選手が涙した。ラジオのインタビューを受ける麻生は「帰った部員が秋田でこれを聞いている。『やったぞー!』と伝えたい」と笑った。来春センバツは確実で、11月の明治神宮大会の出場権も獲得。12人と少ないメンバーでも喜びの声は、ひときわ大きかった。【三須一紀】

