夏春連続出場となる帝京は、1年生右腕の伊藤拓郎投手をエースに全国制覇を狙う。放課後の練習中、奥村英治校長がグラウンドを訪れ、センバツ出場決定を報告した。神妙な表情で聞き入った伊藤は、直後に「優勝を目標にやっています。出るからには頂点を取りたい」と言い切った。

 昨夏の甲子園で8強入りし、1年生では最速となる148キロを記録した。「実戦から離れているんで、秋の状態に戻したい。スピード?

 150キロは頭にあります。任された試合は投げきりたい」と頼もしいセリフを続けた。昨秋の悔しい思いも発奮材料だ。明治神宮大会(準決勝)で東海大相模に0-4で完敗した。守備が乱れて自責点は0だった。「投球は悪かったと思っていない。でも負けたんで対戦したら倒したい」と雪辱を誓った。

 冬場はみっちり走り込んだ。体重は1キロ増の82キロながらおしり回りの厚みが増したという。「ユニホームのズボンがピチピチで」。さらにチェンジアップを球種に加えて、投球の幅も広がってきた。

 甲子園通算48勝で、今大会に50勝突破がかかる前田三夫監督(60)は、投手陣をこう話した。「タクロー(伊藤)が柱です。投げてくれると思う。タクローがへばったとき、ほかの投手が力を出せるか」。とはいうものの、山崎康晃と鈴木昇太(ともに2年)も140キロを超える右腕。今春も強力だ。伊藤は昨夏、背番号18だった。今大会は11が予定されるが、主役になって、紫紺の大旗を持ち帰るつもりだ。【米谷輝昭】