昨春センバツなど甲子園に春4度、夏4度出場の青森・光星学院の金沢成奉監督(43)が、本年度限りで退任することが30日、分かった。後任監督には、仲井宗基部長(39)が就任の予定。金沢監督は95年秋に就任し、夏の甲子園でベスト4が1度、ベスト8が2度など、光星学院を強豪に育て上げた。金沢氏は光星学院の職員にはとどまる。

 みちのく高校球界に衝撃が走った。東北を代表する強豪・光星学院の名将・金沢監督が、ユニホームを脱ぐ。青森山田に昨年まで夏6連覇を許したが、甲子園での実績は色あせない。だが、東北福祉大の後輩でもある仲井部長に後を託し第一線を退くことになった。

 金沢氏は「14年間、突っ走ってきた。しばらく充電期間を置きたい」と言う。ただ野球部の練習、遠征には帯同し、部員のサポート役を務める。これまで指導してきた新2、3年の部員はもちろん、金沢氏を慕って4月に加わる新入部員への責任を果たすためだ。

 それとともに小、中学生の育成に当たる意向。高野連に登録した指導者は、規定により小、中学生の指導ができないため、自由な立場になって進める意味もある。野球への情熱は、決して失っていない。新入部員が卒業するまで3年間は、こうした活動をする。

 その後については「甲子園優勝という目標を捨てたわけではない」と含みを持たせている。00年夏の甲子園準決勝で、智弁和歌山に5-7で惜敗。あと1歩で決勝進出を逃した。03年国体では青森勢初の全国優勝を果たした。「金沢野球」のファンは多く、期待は大きい。現場復帰の日が、いずれ来るとみられる。【北村宏平】