<全国高校野球選手権:九州学院8-7鹿児島実>◇16日◇3回戦

 九州学院(熊本)が、鹿児島実(鹿児島)を下し、47年ぶりの8強入り。萩原英之一塁手が1年生4番としては1983年のPL学園(大阪)・清原和博以来で、戦後春夏1800号となるソロを放ち、打撃戦を制した。

 九州学院の「スーパー1年生」萩原が大舞台で本領発揮だ。7回高く上がった打球は右翼ポール際のスタンドへ吸い込まれるように落ちていった。「まさか入るとは思いませんでした。ライトフライかと思いました」。83年のPL学園清原和博が、横浜商との決勝で放って以来となる1年生4番のアーチ。甲子園での戦後春夏通算1800号と歴史にも刻まれ、笑顔がはじけた。

 萩原の本塁打を含めて両チームで27安打が飛び出す壮絶な打ち合いだった。3点リードの9回裏、鹿児島実の4連打を含む5安打の猛攻で同点に追いつかれたが、ナインの士気は落ちなかった。直後の10回表、先頭の坂井が相手守備の失策で出塁し、1死二塁で9番下田の左前打で勝ち越し。粘りと執念で47年ぶりの8強入りを果たした。

 甲子園3試合で33安打と絶好調打線の4番に座るのが萩原だ。九州学院中では全国大会16強入りし、30本塁打のスラッガー。PL学園など全国の強豪から誘いがあったが九州学院に進学し4月から4番に座った。「4番の責任はあるけどプレッシャーを感じないようにしています。後ろに打ってくれる先輩もいるので」。2回戦の山形中央戦ではファウルボールを右手甲に当てテーピングを巻いていたがこの日は本塁打を含む3安打2打点。甲子園では打率5割、4打点と4番の重責を果たしている。

 「(阪神)金本選手みたいに力強い打撃が目標です」。あこがれのアニキのホームグラウンドでスーパー1年生がもっともっと大暴れする。【前田泰子】