センバツ出場を決めた静清(静岡)に新たな武器が誕生した。30日、今年初の紅白戦が掛川球場で行われ、主力組で先発した山本将馬投手(2年)が好投した。直球限定と打者有利の条件で2回までを3者凡退。3回に連打を浴びて1点を失ったが、サイドスローで打者を翻弄(ほんろう)した。山本将は「あまり制球がよくなかったけど、四球がなかったのはよかった」と手応えを口にした。

 昨秋の東海大会後にサイドスローに転向したばかりで、チームにとって「秘密兵器」になる。新チーム以降の公式戦では1度も登板したことがなく「自分で考えて試しに変えてみたら悪くなかった。チームにとっても変則投手がいた方がいい」と自ら決断。「多少直球のスピードは落ちるけど変化球のキレと制球は上がった」と言う。新たにシンカーを覚えるなど、投手陣の中でも猛アピールを見せた。

 エース野村亮介(2年)中心の戦いは変わらない。それでも、光岡孝監督(32)は「野村の次の2枚目が鍵になる。望月(建吾)も鈴木(尊貴)もいいボール投げていた。2番手争いが激しくなってきた」と、山本将の急浮上を歓迎していた。【栗田成芳】