第83回選抜高校野球大会(甲子園)で48年ぶりの8強進出を目指す北海(北海道)は、明日28日の第3試合(午後2時開始予定)で天理(奈良)と対戦する。昨秋近畿大会の覇者撃破のカギを握るのが、不動のトップバッター森貴弘遊撃手(3年)の選球眼だ。1回戦の創志学園(岡山)戦では初回第1打席で7球、投手が替わった2回の第2打席では10球投げさせて粘り、相手投手の球種や攻略法をナインに伝えて勝利に貢献した。

 「粘って塁に出るのが自分の役割。ヒットよりは、四球の方がうれしい」。森は1番打者としての仕事に、一番の喜びを感じている。試合を2日後に控えた26日は、午後3時から2時間、兵庫・尼崎市記念公園野球場で調整。三塁側ベンチ前で多間泰介三塁手(3年)松本桃太郎内野手(2年)との3人でノックを受けた後、フリー打撃で快音を響かせた。

 平川敦監督(39)が「チーム一」と評価する選球眼で、チームを甲子園へつないだ試合があった。昨秋の札幌地区3回戦の東海大四戦。6-4とリードした7回表、敬遠指示の不徹底から同点に追いつかれた。流れは相手に傾きかけたが、その裏の2死満塁で森が四球を選び、決勝点を奪った。新チーム公式戦での四死球は4だが、1年の時から打撃練習時はケージ後方でボール、ストライクを見きわめる感覚を磨いてきた。

 大阪・泉佐野市出身。伝統校にあこがれ、北海に野球留学した。次戦は地元から泉佐野リトル、リトルシニアの後輩たち150人が応援に駆けつける。天理は左右の好投手が控えるが「嫌がられるくらい、粘って投げさせたい」。凱旋甲子園では、先輩の意地もかかっている。【中尾猛】