<春季高校野球静岡大会:静岡7-0浜松大平台>◇30日◇2回戦◇草薙

 夏のシード権を獲得する8強が出そろった。2年連続の静岡は1番の高階隼外野手(3年)がサイクル安打を記録する活躍などで浜松大平台を7回コールドで破った。

 第2試合に登場する静清、磐田東の有力選手をチェックするためネット裏に訪れていたプロ野球4球団のスカウトが、あらためてその名を確認した。「静高・高階外野手。178センチ…」。

 最初から最後まで高階だった。1回裏、右打席に入ると2球目の外角球を右中間に運ぶ三塁打を放った。昨夏から主軸を任されるスラッガーは、右方向によく飛ぶ。2回には変化球を器用にセンター前に転がすタイムリー。4回は詰まりながらライト線に落とす二塁打だ。ここまでのスカウトの評価は、足が速いし、肩も強そうだけど、バットのヘッドが遠回りする点が不安材料だという。おかげで、右方向にはよく飛ぶけれど、内角はどうだ?

 という点に絞られた。

 それを払拭(ふっしょく)するように6回の第4打席は内角のスライダーを、巧みに腕を畳み振り抜くと、左翼席中段に弾むソロアーチとなった。この1点が7回コールドを決める7点目となり、ベスト8進出。プロスカウトにも今後を見守りたい1人にリストアップされた。

 神奈川・逗子シニア時代に日大三など強豪に誘われた1人だったが、文武両道を目指し「静高」にやってきた。この冬のトレーニングで体重は4・5キロ増の77・5キロに成長した。「1番が好きです。一番打席が回ってくるんで」という切り込み隊長が、もっと高い階段を上っていく。【久我悟】