<春季高校野球福島大会:学法石川5-4若松商>◇28日◇3位決定戦◇郡山市・開成山野球場

 福島では学法石川が延長15回の末に若松商に競り勝った。

 開幕前日にメンバー変更でベンチ入りした鈴木啓央(3年)が、学法石川を救った。エース松本匠投手(3年)が同点に追いつかれた後の8回、今大会初のマウンドに立つ。大雨の中、延長15回まで投げ抜き11三振で無失点。公式戦も3試合目の左腕は「役に立てて良かった」と照れた。

 同じ失敗を繰り返さなかった。延長10回終了後に雷雨で中断。再開までの1時間4分を「集中を切らさないように」と体を動かし続けた。昨秋の県南支部予選白河実戦でも登板中に試合が中断。再開直後に3失点した経験を生かし、130キロ半ばの直球と90キロ台のカーブで三振の山を築いた。

 延長15回の決勝点は鈴木の犠打から生まれた。得点圏に走者を進めると、相手投手の制球が乱れ、押し出し四球を呼んだ。チームメートが打撃練習をする中「打てるほうじゃない」と、1人でバントを繰り返した成果だった。昨秋の県大会前に肺炎で1週間入院し、3月には練習試合中に左肩を痛めた。黙々と1日20キロ走り下半身を強化した努力が大一番で実を結んだ。

 4時間49分の激闘を終えた伊東美明監督(26)は就任後初の東北大会出場を決めたウイニングボールを手に言った。「鈴木にあげてもいい。メンバーに入れてよかった」。苦労する姿を見てきた選手が導いてくれた舞台に感謝した。【鹿野雄太】