<高校野球春季北海道大会:北海10-8旭川西>◇5月31日◇準々決勝◇札幌円山
北海(札幌)が、両チーム合わせて25安打の打撃戦を制し、旭川西に逆転勝ちした。先発した昨年センバツ8強右腕、玉熊将一投手(3年)は8回に一挙5失点し逆転を許したが、9回表、7-6と再逆転した後に、自ら公式戦初本塁打となる3ランを放ち振り切った。札幌日大は函館大有斗に7回コールドの7-0で快勝。この日で4強が出そろい、札幌勢が初めて独占した。今日1日の休養日を挟み、明日2日に準決勝が行われる。
1点でも多く得点が欲しい-。玉熊は、思いをバットに込めた。真ん中高めの打球を振り抜くと、高く舞い上がった打球は左翼ポール際の芝生席に飛び込んだ。貴重な3点が9回表に追加されてスコアボードに「6」が表示された。10-6。公式戦初本塁打よりも、粘る旭川西を突き放した得点の重みをかみしめるように、ホームインした。
「(旭川西に)得点を取られるので、もう少しリードがほしい。次につなげる気持ちで振りました」。9回の打席を、玉熊はそう振り返った。1-1で迎えた8回表、味方打線が均衡を破り3点を奪い勝ち越した。その直後の8回裏、5安打を浴びせられ、高校入学後、公式戦では許したことのない1イニング5点を奪われた。「大事な場面で甘く入ってしまうんです。ここ一番、強い気持ちで投げてるんですが」と、本人も不安要素を自覚していた。
9回に西村拓真投手(3年)の救援を仰ぎ2点差で、辛くも勝利はつかんだ。西村拓、玉熊とつないだ初戦の北照戦では序盤に4点リードされたが、終盤3イニングで7点を奪い12-11で逆転勝ちした。この日は8、9回で打線が9点を奪いながら、1度はひっくり返され、最終回に詰められた。玉熊は「打線の援護で勝てました」と、謙虚に振り返った。
平川敦監督(41)が、「悪くはなかった」と評価したように、10安打を浴び失点6(自責3)の一方で、10奪三振、無四球と良さも見せた。さらに公式戦初本塁打もマークした。でも、満足感はない。玉熊は「自分と西村(拓)がもっとしっかりしなきゃ」と、2日の準決勝、札幌日大戦に気持ちを切り替えた。【中尾猛】

