<高校野球秋季静岡大会:横須賀3-2浜松西>◇23日◇西部地区3回戦◇浜松球場

 横須賀が春秋通じて初の県大会出場にあと1勝と迫った。2番青野秀将内野手(1年)が3安打を放つなど浜松西を破り、袋井などとともに準々決勝に進出した。

 同点で迎えた8回表、円陣を組んだ横須賀ナインを前に鈴木彰洋監督(35)が封印してきた漢字3文字を口にした。「ここまで来たら『県大会』に行こう!」。創部から54年、春秋通じて県大会出場はない。目の前の浜松西を倒しても、まだ準々決勝がある。しかし、初戦で浜松商に完封勝ちした勢いをさらに加速するチャンスでもあった。鈴木監督は「いつも『まず自分のプレーに集中しなさい』と、県大会出場は口にしなかった。でも、ここ一番でしたから」と、振り返った。

 その回先頭の青野がまず左前打で出塁すると、敵失が絡み勝ち越しホームを踏んだ。そして、9回も青野だ。2死二塁で中前にポトリと落とした。「僕は打力がないので、自分でできる打撃を心掛けています」という適時打は、大きな大きな1点だった。

 鈴木監督によると、夏のチームの方が打撃面で力が上回っていたという。しかし、投手力は安定感が増した。先発投手は眼鏡がりりしい4番名倉万次郎(2年)が務め6回1失点。夏の県大会1回戦で完封勝利を挙げた後藤黛(だい=1年)は足の故障のため、大事をとって7回から登板した。9回裏、1点差に迫られてなお2死満塁。直球が上ずり苦しいマウンドに富山武捕手(2年)は立て続けに同じ変化球を要求した。後藤は「先輩を信じて投げました」。富山は「変化球はしっかり制球できてましたから」と自信のリードで三振を奪った。

 ついに解禁した目標を掲げても、目の前のプレーに集中できた。夢の3文字が「甲子園」に変わる日も、目の前に迫っている。【久我悟】