<秋季高校野球東北大会:聖光学院2-0大館工>◇6日◇2回戦◇福島市信夫ケ丘球場

 聖光学院(福島1位)の1年生左腕エース石井成(なる)の勢いが止まらない。大館工(秋田3位)を5安打に抑え、公式戦3試合連続完封。県大会準々決勝から31イニング連続無失点となった。8強が出そろい、今日7日に準々決勝4試合が行われる。

 立ち上がりの不安を自ら吹き飛ばした。初回、先頭打者への初球で死球を与える。後続を断ってベンチに戻ると、すぐさまブルペンへ向かった。「ストレートの感覚が良くなかったので」と真っすぐだけを10球投げて調整。すると、2回以降はコーナーを丁寧に突く本来の姿を取り戻した。

 制球が定まれば、失点の気配はない。5回までを3人ずつで切り抜けるなど、5安打9三振。この日もスコアボードに「0」を9個並べた。94球で投げ切った左腕は「前の2試合より良くない中でも抑えられた」。斎藤智也監督(49)も「2回(の投球)を見て、大丈夫だと思った。修正能力がある」とたたえた。

 死球を与えても、内角攻めにこだわる。完封した3試合で与えた四死球7のうち、四球は1つだけ。インコースを突けば、外の変化球が生きてくる。練習では、打席に入った斎藤監督に向かって投げ続けた。31イニング連続無失点にも「1回1回を全力でやり切った結果です」と冷静な1年生エースの快進撃は止まりそうもない。【鹿野雄太】