高校野球の静岡の前エース渡辺義(せいぎ=3年)が9日、東京6大学リーグの慶大にAO入試で合格した。渡辺は昨年夏の甲子園にメンバー入り、登板機会はなかったが最上級生になると秋春連続東海大会出場に貢献した。この夏はベスト16にとどまったが、左腕からキレのある直球と制球力で名門の守備を支えた。これらの実績を元に書類審査と面接を経て、環境情報学部に合格。これまでは試験対策で練習ができなかったが「1年春から投げたい」と、この日東海大会の組み合わせが決まった後輩に交じって鍛え直す構えだ。

 リーグ優勝33度を誇る慶大は、巨人高橋由伸(37)が好きだったことで中学の頃から憧れていたチームだという。また、姉の輝(かがやき)さんが付属高に通い、現在同大2年と身近な存在でもあった。

 父は衆議院議員で前防衛副大臣の周氏(50)。将来の政界入りを聞かれると「親からやめとけって言われてます」と語った。テレビ局で働く夢があり、そのために同学部で学ぶという。静岡を沸かせた球児が、文武両道を胸に次のステージへ向かう。