<高校野球秋季東海大会:常葉学園菊川6-4東邦>◇21日◇2回戦◇浜松球場

 常葉学園菊川(静岡2位)が東邦(愛知1位)を下し、5年ぶり4度目のセンバツへ王手をかけた。先発堀田竜也投手(2年)が強打線を相手に11安打を浴びながら4失点で踏ん張ると、1度追いつかれた打線も9番今坂僚介内野手(2年)の3安打3打点などで突き放した。

 常葉菊川のエース堀田は、どこまでも落ち着いていた。2点リードの9回裏1死。力なく内野に上がった飛球を一塁の桑原樹内野手(1年)とお見合い(記録は内野安打)。嫌な形で走者を許し、4番打者を前に1発同点の場面をつくってしまった。それでも「ミスをしたことは頭になかった。次を抑えることだけ考えてました」。一切、表情を崩さずに後続をいずれも外野飛球に仕留めると、両手を広げて初めて笑った。

 愛知県大会6試合で49得点、毎試合最低でも7点以上を挙げてきた東邦打線を4点に抑えた。1回に先制点を許すと、仲間の援護で2点を勝ち越した3回に、右翼へ特大の1発を浴びた。6回にも2連打で無死二、三塁とすると、自らの悪送球で失点。2点のリードはあっという間に消えた。

 なおも無死二塁と苦しい状況が続いたが、直球と変化球を織り交ぜ、徹底して低めにボールを集め、勝ち越しを許さなかった。堀田は「みんなもずっと声をかけてくれていたし、1度も動揺することはなかった」。134球で奪った三振は1個。文字通り打たせて取った。3者凡退は2回でも、イニングの先頭の出塁は3度しか許さなかった。11安打浴びても、ミスがでても1点ずつで切り抜けたのは、セオリーを守れていたからだった。

 エースの奮闘に、打線も7回に再び目を覚ます。2死二塁から9番の今坂が、右翼越えの勝ち越しタイムリーを放つと、続く2死満塁の好機では3番の遠藤康平(2年)が中前2点適時打を放ち、ダメ押した。

 初優勝した07年センバツでは「フルスイング打線」で勝ち進んだ。当時の映像を、各選手が今でも見ている。堀田は「やっぱり憧れます。全員で1週間しっかりと調整して、あと1つ勝ちたいです」と、力を込めた。躍動するタテジマに憧れた少年たちが、憧れる球児になるまであと1勝に迫った。【前田和哉】