今秋ドラフト超目玉候補に挙がる済美(愛媛)の安楽智大投手(2年)が4日、松山市内の同校グラウンドで本格的に始動した。阪神、楽天、日本ハムのスカウトが視察する中、チームの練習始めに臨んだ。

 今年の目標について「最上級生になって、プロ入りよりもまず、甲子園に行くことは高校生の間しかできない。夏の甲子園優勝は最後の年しかできない目標」と語った。昨年は2年生のセンバツ史上最速の150キロを計測し、準優勝に導いた。夏の愛媛大会では最速157キロをマーク。だが、昨秋の愛媛県大会1回戦で敗れ、右肘違和感を訴えていた。負傷後は投球練習を回避し、体力強化に専念。この日は塁間の距離で感触を確かめながら、キャッチボールを行った。「まったく痛みはない。3カ月、投げていない。徐々に作っていきたい」。3月上旬の練習試合、明徳義塾戦での実戦復帰を目指す。

 年末年始は父晃一さんの実家がある神戸へ帰省し、阪神ファンに「阪神に入って優勝してくれ」と声を掛けられたという。スカウト陣の視察にも「すごくうれしい。でも、高校生の間は甲子園を目指してやっている。そんなに意識していない」と冷静。甲子園出場のチャンスは夏だけ。新たな伝説に向け、いまはただ泥臭く1球を投げる。【酒井俊作】