札幌創成高野球部のコーチに今月から就任した元中日の遠田誠治氏(49)が4日、札幌市内の同校で初指導を行った。高校生や大学生の指導を行うための学生野球資格を回復した元プロ選手で、常勤するコーチは道内では同氏が初めて。この日は早速、打撃練習で選手にアドバイスを送った。「日本で一番高いレベルを経験した。それをこれから教えてあげたい」と、初日から指導に熱を入れた。

 星野流指導を目指す。中日での現役時代に指揮官だった星野監督(現楽天)の「言葉で選手を奮い立たせる熱い指導」を見習う。プロ生活唯一の打点を挙げた89年の試合で、指揮官からの「男になってこい」のひと言で発奮。勝ち越し打を放った。「怖かったけど、一番尊敬する人。『おれについてこい』って親分肌だった」と振り返る。昨年楽天を初の日本一に導いた闘将のように、コミュニケーションを徹底し、選手のやる気を上げていく。

 高塚真吾主将(3年)は「プロを経験された方なので、打撃も守備も聞きたいことがたくさんある」と話した。遠田コーチは北海高時代の82年春甲子園に出場した。「高校時代の練習はきつかったけど、甲子園が夢から目標になった。まずは常に全道に行けるようになって、その先が甲子園」。同校初の聖地へサポートしていく。【保坂果那】