<センバツ高校野球:平安3-3鹿児島工(延長15回規定により引き分け)>◇28日◇3回戦

 鹿児島工(鹿児島)と平安(京都)は延長15回で譲らず、30日(第1試合=開始8時30分)に再試合を行うことになった。

 4月1日から龍谷大平安に校名が変わる平安が、延長15回の熱戦で引き分けた。勝利がなくなった延長15回裏の守備。1死二塁から鹿児島工・石神の打球が二遊間を抜ける。中堅の山口篤史主将(3年)が打球を取り損ねサヨナラ負けかと思われた瞬間、ボールを拾い直した山口が本塁へ矢のような返球。ツーバウンドでタッチアウトにした。

 勝てなかった悔しさもあるが、「HEIAN」のユニホームを着て再び試合ができる喜びも大きく、原田英彦監督(47)は「試合は多い方がいい。その意味で負けなくてよかった」と選手をねぎらった。激闘を終えた選手たちも「1日でも長くこのユニホームで野球がやりたい」と同じ言葉を口にした。疲れは残るが仕切り直し。伝統を胸に刻み込んだ平安ナインが再び躍動する。