<センバツ高校野球:広陵7-6立命館宇治>◇22日◇1回戦

 広陵(広島)の「金本2世」丸子達也内野手(2年)が「アニキ」の前で3安打2打点と実力を見せつけた。90年4月から指揮を執る中井監督のもとでは初めて1年生夏から4番に抜てきされた逸材。初打席で左中間二塁打を放つ。4-5の5回1死2塁、左前同点適時打。「観客の多さに圧倒されたが、初安打後から楽しめた。大きいのを狙うのではなく、つなげていこう」と心掛けたという2年生4番打者の一打が流れを一気に呼び込む。四球で一、二塁とし、失策と有原の適時打で2点を勝ち越した。

 1月10日に母校を訪れたOB金本の一挙手一投足に「自分も威圧感のある打者になりたい」と誓った。スタンドから応援してくれた金本に、バットで恩返しした。185センチ、86キロの恵まれた体から驚異的なスイングスピードを繰り出す。勝負弱さが目立ち、我慢の起用を続けた中井監督も「今日は褒めてやりたい」と、殻を破った愛弟子を見つめた。【佐藤貴洋】