慶応完封で88年ぶり夏2勝/夏の甲子園
<全国高校野球選手権:慶応5-0高岡商>◇11日◇2回戦
慶応(北神奈川)が「力道山の孫」田村圭投手(3年)の力投で、88年ぶりの夏2勝を挙げた。6回を3安打無失点に抑え、背番号「3」の只野尚彦投手(3年)につなぐ「慶応ONコンビ」の完封リレーで、5-0と高岡商(富山)を破った。
握りしめた左拳を、アッパーカットで突き上げた。3回2死二、三塁。この試合唯一のピンチを、田村が123キロのスライダーで空振り三振に切った。直前の攻撃で、慶応が3点先取。「点を取った後が大事。三振狙いました。打たせて取るとか余計なことは考えない。しっかり、三振で切りたかった」。魂を込めた宝刀で沈め、雄たけびを上げた。
灼熱(しゃくねつ)の太陽の下、最速は141キロを出した。スライダーに加え、今夏から投げる、ロッテ成瀬を参考にしたツーシームを織り交ぜた。「思い切り飛ばした。(2番手)只野は頼もしいですから」。上田誠監督(50)が次戦以降の戦いを考慮し、早めに交代を告げた。88年ぶりの夏2勝を、くしくも6回88球で呼び込んだ。
エンジョイベースボールは、大阪入り後も変わらない。初戦の翌日6日は終日オフにした。田村、只野らは道頓堀に出掛けてリラックス。グリコ看板の前で記念撮影し、お好み焼きとたこ焼きを堪能した。田村は「やっぱり、くいだおれ人形はなかった」と笑う。「いつ負けてもいい。楽しんでます。優勝、優勝と勝ちにこだわるとジャイアンツみたいになっちゃいますから」。気持ちの切り替えが、試合の集中力につながると信じている。
7回から登板した只野は、3回無失点で期待に応えた。打撃陣は2番福富が3安打2打点、9番溝口は2戦5安打と脇役勢も元気だ。上田監督は「88年ぶりなんて夢のよう。その時の方が生きているかは分からないけど、喜んでくれていると思う」とかみしめた。
田村は試合前、力道山の娘、母浩美さんの好きなB’zの大ヒット曲「LOVE PHANTOM」を3度聴いて闘志を高めた。10日は北京五輪バドミントンに出場した「オグシオ」の初戦をテレビ観戦。この日は、競泳北島が金メダルを獲得した直後に、マウンドに向かった。88年ぶり夏2勝の感想を問われると「チョー気持ちいい」と笑って締めた。【前田祐輔】
[2008年8月12日8時31分 紙面から]
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