本庄一のブラジル人留学生コンビが、特例ともいえる「19歳の夏」で連続甲子園を目指す。第91回全国高校野球選手権埼玉大会(7月10日開幕)の組み合わせ抽選会が19日、さいたま市民会館おおみやで行われた。昨夏、北埼玉代表として悲願の初甲子園に導いた日系3世の奥田ペドロ内野手(3年)と伊藤ディエゴ投手(3年)が、今年もチームの中心。ノーシードとなったが、11日に深谷一との初戦に照準を合わせる。

 すでに19歳となった奥田と伊藤は最後の夏となる今年、「優勝」という忘れ物を甲子園に取りに行く。「みんなより年上なので、チームメートにも他校にも負けたくないんです」と覚悟を見せた。

 日本高野連が定める参加者資格規定による年齢制限では、本来19歳の2人に参加資格はない。しかし日本とブラジルの学制の違いで入学が約1年遅れ、ブラジルの高校には通っていないなどの理由で、昨年8月の審議委員会で参加が確認された。

 奥田は昨夏の甲子園初戦の開星(島根)戦でバックスクリーンにサヨナラ本塁打を放った。伊藤は昨夏から苦しんだ右ひじ痛を乗り越え、最速138キロの直球とスライダーのコンビネーションで打ち取るタイプだ。「日本で野球ができているのは、監督や学校関係者のおかげ」と2人は声をそろえた。特別な19歳の夏。昨夏は甲子園で1勝止まりだったが、今夏はもっと上に-。地球の裏側で、応援してくれる家族を昨年以上に喜ばせる。