<全国高校野球選手権:中京大中京5-4関西学院>◇17日◇2回戦

 中京大中京(愛知)は3番河合完治内野手(3年)が9回裏1死から史上17本目のサヨナラ本塁打を放ち、関西学院(兵庫)との伝統校対決を制した。

 中京大中京が3番河合のサヨナラ本塁打で関西学院との接戦にケリをつけた。4-4同点の1死走者なしから「後ろの堂林につなぐ気持ちだった」と迷いなく初球スライダーを振り抜いて、左中間深くに突き刺した。9回表に同点とされ、膨れあがったアルプス席の地元応援団に後押しされて相手に行きかけた流れを、高校通算37号、公式戦では初のサヨナラ弾で断ち切った。

 3人兄弟の末っ子の河合は同校OBで04年夏8強メンバーの長男陵甫さんと08年センバツで三塁コーチを務めた次男純吉さんを尊敬し、帽子のひさしに2人の名前を書き込んで戦っている。「日本一」というチーム目標は3兄弟の夢でもある。

 この日はプロ注目の4番堂林の18歳の誕生日だった。劇的な一打は、2番手で力投した堂林への贈り物にもなった。この日は主役の座を奪われたエースも「最高のプレゼントをもらいました。アイツはいい男ですね」と感謝した。中京大中京は堂林だけじゃない。主砲に匹敵する打撃センスを備えた男が頂点を目指すチームを救い、勢いを与えた。【八反誠】