いよいよ、メジャーリーグが開幕しました。今月28日(日本時間29日)、ドジャースは本拠地ロサンゼルスで本格的なシーズンを迎えます。今回はドジャースタジアムにご案内しましょう。

全米第2の都市ロサンゼルス。中心街から北へ約3キロ、車の渋滞がなければ10分弱。かつて「ドジャースの声」で親しまれた名実況アナウンサーの経歴をたたえたビン・スカリー通りを進んで行くと、ドジャースタジアムが見えてきます。

1962年にドジャースの本拠地球場としてオープン。カリフォルニアの青い空の下に咲き誇る花々、緑の草木とパームツリー、はるか遠くに見える山々…。そこは天然の立地条件を最大限に活用した、自然美を誇る一大丘陵野球公園なのです。

球場周辺は1万6000台を収容する広大な駐車場。特に、ロサンゼルスは車社会だけにモータリゼーションの時代に適した球場となっています。

球場の正面広場に「センターフィールドプラザ」があり、黒人大リーガー第1号のジャッキー・ロビンソン、史上最高の左腕投手と言われるサンディ・コーファックスの銅像が出迎えてくれます。飲食店や娯楽施設、試合観戦できる広場など、球場の中とは一味違った楽しさも提供してくれます。

場内に入って、まず圧倒されるのが巨大なスタンド。大きな丘を利用して作られた観客席は5層から成り、エレベーターで9階の高さ。野球専用球場ならではの、こぢんまりした外野席も加えると5万6000人を収容。カリフォルニアの美しいビーチと海を思い描いた座席の色は、砂の黄色から海の青まで4色のグラデーションというこだわりがあります。

昔から「パビリオン」と呼ばれる外野席前列には「ホームランシート」が設けられ、グラブ片手にホームランボールがキャッチできる人気エリア。また、同時に設けられた左右両翼のブルペンを見下ろす観客席も人気があります。場内は伝統的なオルガン演奏が鳴り響き、球場のシンボルとなった左右両翼とも六角形の「ドジャービジョン」には映画の都ハリウッドから来ている一流カメラマンの手による映像が流れ、さまざまな趣向を凝らしてファンを楽しませてくれます。

場内の食べ物で最大の名物はホットドッグで、その名も「ドジャードッグ」。ソーセージをゆでずにこんがり焼いてあるのが自慢で、パンの両端からはみ出しているのも特徴の1つです。最近はスーパードジャードッグやブルックリンドッグなどもあり、昨年は新たにフライドチーズケーキや地中海チキンボウルなど12種類が増加。老若男女に楽しんでもらえるように豊富な食べ物が取りそろえてあります。

ちなみに、95年ドジャース野茂英雄投手がデビューした時は、メジャーの球場で初めて牛丼の吉野家が出店。以来、球場の食文化が変わり、世界のさまざまな料理が味わえるようになりました。

最後にお土産ですが、最上階トップデッキにある「チームストア」はじめ、ほぼ同じ規模のギフトショップがレフト、ライトなどに点在。大谷翔平や山本由伸の商品を手に入れることができます。

これまでワールドシリーズをはじめ、84年ロサンゼルス五輪で野球の公開競技や、2009、17年WBC決勝の舞台として幾多の名勝負が行われて来ました。また、エルトン・ジョンなど超人気歌手のコンサートが行われ、エンターテインメントの中心地としても栄えて来ました。

「地球上の青い天国」とも呼ばれるドジャースタジアムへ。世界のスーパースター大谷やエース山本の活躍を見に熱狂を体感しに行きましょう。

【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)