ナショナルズのブライス・ハーパー外野手が一段の飛躍を見せ、大活躍を続けている。

 ハーパーは子供のころから優れた才能を発揮し、大きな注目を集めてきた。2009年、16歳のときには老舗スポーツ誌スポーツ・イラストレイテッドが「選ばれし者」という見出しとともに、ハーパーを表紙に起用したほどである。その後、ハーパーは飛び級で大学に進学した後、2010年のドラフトで全体1位でナショナルズから指名を受け、5年総額990万ドルに出来高という大型契約を結んだ。

 2012年にメジャー・デビューを果たすとすぐにレギュラーとして活躍し、オールスター・ゲームにも出場、22本塁打を放ち、新人王に選出されている。その後もトップ・レベルでのプレーを続けてきたが、今シーズンはさらなる大ブレークを見せているのだ。

 26日終了時点で、打率3割3分1厘、本塁打17、出塁率と長打率を足した指標OPSは実に1.200を記録している。このまま行けば最終的に打率3割2分、本塁打50、OPS1.2も夢ではない。この3つを一度に達成したのは過去、3度の元ヤンキースのベーブ・ルース、元レッドソックスのジミー・フォックス、元ジャイアンツのバリー・ボンズの3人だけである。

 さらに通算本塁打でも期待が広がっている。755本を記録したハンク・アーロンを上回るペースで本塁打を量産しているのだ。アーロンはハーパーより1年遅い20歳でメジャーに昇格したのだが、22歳までで通算本塁打数は66本だった。これに対しハーパーは現時点で既に72本と上回っているのである。かなり先のことではあるが、このままハーパーが活躍を続けていけば、抜くことも十分可能なのだ。

 もちろん、こうした絶好調ぶりに周囲の期待もこれまでになく高まっている。27日に発表されたオールスター・ゲームのナ・リーグ最初の投票数発表で、ハーパーはトップの111万票超を獲得している。このままいけば自身3度目、先発としては2度目の出場は確実だろう。

 ハーパーはどこまで成長を続けていくだろうか。